彼を突然切れる男

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 こうなると、塚原千秋が光田勝彦に殺された事件は、彼を突然切れる男に育てた人物に一番責任あるように思える。

 いったい勝彦がわがままになった原因は誰にあったのだろう。全ての人に原因があったように思えるし、全ての人に原因がなかったようにも思える。ただ、全ての原因はあなたに有るのよ、と言える人物はいないようである。

 結局、光田家に警察の手が入ったのは事件の起こった翌日、月曜日の夜のことだった。だが、数人いる家族のうち、誰一人として警察に協力するものはいなく、勝彦が人殺しなどするはずがない、と本人が写った写真や犯罪に結びつく証拠の提供はなかった。

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 それはどんな家族でも有り得る事だろう。身内から犯罪者が出るなど考えもしない事だし、例え犯罪者が家族から出たとしても、父や母、それに祖母は子孫をかばうのが普通だ。

「洋介。ちょっと事務所まで来いよ。お前にグッドな話を教えてやるから」「今からか? まだ開店準備が出来てないんだが」「そんなものは妹に任せておけ、いいな」

 いつもながら強引な男だ。 妹ばかりに仕事を押し付け、迷惑を掛ける訳にはいかないと言うのに。だいたい古谷は妹が怒ったときの怖さを知らないから気軽に言えるんだ。携帯をポケットに収め、二階まで階段を歩いて上がる。

 この時間だと来客などないだろう、それに私を呼んだのは古谷の方だ。事務所のドアをノックしないで開けた。私がドアを開けた時の勢いが強かったのだろうか、ソファーに座っていた古谷と、古谷の前に座っていたタヌキ顔の男が驚いた様子で私の顔を見る…警官が古谷の事務所

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